激務で残業地獄でも外資系コンサルが人気の理由とは【仕事はきつい】
2018/11/24

- コンサルティングファームの勤務実態や残業時間が知りたい方
- いま現在ファームやSIerで働いていて、労働環境を改善したいコンサルタント
- 外資系コンサルを志望しているけど、激務が不安な就活中の大学生
この記事は、そんな皆さんへ向けて書いています。
こんにちは、ノマドのTEN(@02smwhere)です。
僕は新卒で大企業に勤めた後に、外資系コンサルティングファームへ転職し、以下のようなプロジェクトを担当しました。
- ビッグデータのアナリティクス
- システムのサービス運用デリバリー
- 企業の業務改善を目的としたSI案件
本記事では、僕が働いていた事例を交えながら、激務で知られるコンサルが人気の理由を考えてみましょう。
- コンサルタントの勤務実態と残業時間
- 外資系コンサルが激務になってしまう原因
- それでもコンサルティングファームが人気の理由
外資系コンサルタントの残業時間や労働環境の実態とは
結論から言ってしまえば、
最近のコンサルは、労働環境の改善を謳うファームが増えてきたものの、現場レベルではまだまだ個人の考え方に差がある!
という表現に尽きると思います。
僕の経験したとあるプロジェクトでは、長時間労働とストレスのせいで、若い先輩たちが次々と体を壊していました。
胃潰瘍になって出血し、トイレで倒れていた先輩。
高血圧で飲み薬が欠かせない先輩。
しかし、過労による治療の飲み薬を出していたら、クライアントに見えないように隠すように命じられます。
月100時間を優に越えるであろう残業も、自主的に申請をしていません。
マネージャーも認識しているにも関わらず、見て見ぬふりです。
一方で、僕が経験したほかのプロジェクトでは、
毎日10時に出社して、18時過ぎにはメンバー全員がオフィスを出て、19時には家に帰れる。
マネージャーがタスク管理をしっかりこなしており、適時適切な指示を与えている。
無駄な作業をしないという時間意識が、きちんとチーム全体に共有されている
といったように、古臭い日系大企業とは大きく異なる、外資系っぽいオンオフのついた環境で働いていたこともあります。
このように、外資系コンサルティングファームにおける激務の度合いや残業時間は、人や環境によって大きく異なることが多いです。
現場のマネージャーの考え方やマネジメントスキル、アサインされるプロジェクト、さらには就職先に選ぶファーム自体に至るまで…
様々な要素に左右されるのが、僕の経験から言える勤務実態の真実です。
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コンサルタントの持つプロフェッショナルマインドが激務を助長する
そもそもコンサルティングファームでは、なぜ過酷な労働環境になってしまうのか、考えてみることにしましょう。
まず、昔からコンサル一筋である先輩、あるいはコンサルタントを理想の職業として転職したマネージャーの価値観として、
「コンサルタントは医者や弁護士に並ぶようなプロフェッショナルであるべきだ」
という考え方を持っていることがあります。
コンサルタントとは、いわば企業のお医者さんなのです。
「企業の何が悪くて、経営がうまく行っていないのか」
「それを治すためには、どこを改善すべきか」
「そのために、どのような解決策を取れば良いのか」
こういった事象を分析して明らかにし、具体的な解決策まで落とし込んでいきます。
最近のコンサルでは、さらに解決策を実現するために、自ら業務の一部をアウトソーシングとして受託して運営したり、システムの開発や運用保守といった案件に繋げて、利益を出していきます。
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時にこのプロフェッショナルマインドは、激務やブラック労働を助長する結果につながってしまいます。
僕の同期で、残業代の申請をマネージャーに拒否されたコンサルタントがいました。
その時は、医者という立場を引き合いに出され、マネージャーに以下のようなことを言われたようです。
「医者は自分がしんどいからと言って、目の前の患者を投げ出したりはしないだろう?」
「つまりそれは、プロフェッショナルという働き方のことなんだよ。」
「プロフェッショナルは働いた時間ではなく、出したバリューに応じて対価を得るべきだ。」
「君は新人だ。クライアントに何もバリューを出せていない。」
(残業代だってつかないよ。→これを直接口に出すと労働基準法違反になってしまうから、あくまで表には出さない。)
入社したばかりの新人コンサルタントが、マネージャーにこのように言われてしまったのであれば…
従わざるを得ないのも、無理ないでしょう。
このように、一部のコンサルティングファームやプロジェクトの労働環境は、
いわゆるブラック企業の体力的な過酷さ。
ロジックゴリゴリの精神的負荷が高い理屈っぽさ。
ステレオタイプのコンサルタントのプロフェッショナルマインド。
これらが混ざり合っているようなものだから、なおさら激務のレベルが増してしまうのです。
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コンサルタントが激務でも人気の就職先である理由とは
外資系コンサルが激務であることは、一般にもよく知られていることでしょう。
僕が転職した時も、好き好んで、ある程度の激務を承知で、コンサルの環境の飛び込んだわけですからね。
それでもなお、未だに大学生の就活や、転職市場でコンサルの人気がある理由とは、いったい何なのでしょうか。
コンサルタントは、その道の一人者であり当事者であるクライアントが、独力ではどうしても解決できない課題を解決するために存在します。
つまり、仕事の難易度が高かったり、そもそも面倒くさいようなことを、高いお金をもらって短期間で解決することになります。
そのため、どうしても仕事の密度が濃くなってしまったり、労働時間が長くなってしまいがちです。
これはコンサルティングというビジネスの特性上、ある程度は仕方がないことかもしれません。
一方で、このスケール感やスピード感、若くしても裁量の大きさや成長の大きさを経験できることもまた、外資系コンサルティングファームへの就職が人気な理由でしょう。
もちろん同年代の日系企業に比べても、貰える給料だって高額です。
「残業や健康を天秤にかけた結果、どうしても得たいものや達成感があるのから、プロフェッショナルとして働いている」
こんな風に、都合よく解釈するようなマネージャーの価値観で、チーム激務が常態化する労働環境については、はっきりNo!を突きつけるべきです。
そもそも会社として、やりがいや達成感を振りかざすことで、残業代を払おうとしないのは、許されることではありません。
低賃金なのに死ぬこともあるくらい苛烈に働いてくれる、すごく都合の良い国になってしまってる。働き方改革、ようやく進んでるけど、徹底的に罰則とかを厳しくしてスピード早めないと、、、https://t.co/eC1NApPxFX
— けんすう (@kensuu) 2017年7月5日
『若い頃の苦労は買ってでもしろ』という言葉があるが、その言葉を作ったのは売る側の人間だ。
— ジョークbot (@Joke_anecdote) 2017年9月15日
日本人は、会社に”働かせてもらっている”という感覚が強いです。
特に、コンサルティングファームのようなプロフェッショナルの集まりだと、どうしてもロジカルで気が強いマネージャーの言いなりになりがちです。
しかし、コンサルタントと言えば格好良いかもしれませんが、企業の一従業員であることには変わりません。
従業員として会社に労働力を提供するのであれば、対等な立場として議論をするべきです。
やりたくない労働や残業を強制するのであれば、その代償としてきちんとした対価を支払うべき!
ですが現実として、やりがいやプロフェッショナルと言った言葉の下に、見合った対価を支払おうとしないマネージャーも、残念ながら存在しています。
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残業や労働環境が改善されたコンサルへの転職はまさに今がおすすめ
もちろん、コンサル業界全てが激務なわけではありません。
将来的に持続可能な組織を目指すにあたって、労働環境の改善に力を入れているファームが、最近は増えてきました。
“コンサルティングファーム”とは、そもそも会社の看板を付けている個々人の集まりを指します。
“ファーム”という言葉とは、本来はそういう意味であり、所属しているコンサルタント一人ひとりが、会社として抱えている商品になります。
個人によってクライアントに出せるバリューが異なるように、個人によって個性や考え方も異なるのも、当たり前です。
こういったダイバーシティ意識については、さすが外資系企業だけあって、柔軟に取り入れているファームが多いように感じます。
つまり、企業が一昔前のコンサルタント像を当てはめるだけでは、優秀な人材を確保できなくなってきているのです。
昔と比べて、若い人もどんどん減っていきますし、学生の仕事に対する考え方も変わってきています。
そのため、働き方を含めた様々な価値観を認めるように、コンサルティングファームも受け皿を大きくしています。
本当に価値を出せる人間ならば、たとえ短時間であっても、会社の看板なんかなくても、クライアントにバリューを出すことが出来ますからね。
ですので、コンサルティングファームへの就職や転職は、はっきり今が狙い目である!と踏んでいます。
コンサルティングファームが労働環境を改善するということは、人を増やす必要があるということ、つまり採用の難易度が下がるので、内定をもらえる確率が上がるということです。
僕からのアドバイスとして、これからコンサルへのステップアップを目指す人、あるいは職歴を活かして転職したい人は、ファームのネームバリューのみならず、
「ファームごとに案件にどんな差があるのか」
「SI(システム導入)案件の比率」
「実際の労働環境や残業時間」
について、きちんと調べて入社することをおすすめします。
また、現在就活中で、外資系コンサルタントとして働くことを目指す学生の皆さんも、それぞれのコンサルティングファームやプロジェクトについて、入念に情報を集めて行動すると良いでしょう。
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激務や残業のイメージを払拭したコンサルティングファームは人気の業界
東大・京大生が選んだ「就活人気100社」 トップ10社中8社が外資系 https://t.co/NqnAcmzJip pic.twitter.com/dCIjdUIDGN
— PRESIDENT Online (@Pre_Online) 2018年2月2日
東大・京大生が選んだ「就活人気100社」のうち、なんと外資系コンサルティングファームはトップ10社のうち6社を占めています。
ここにランクインしているようなコンサルティングファームは、どこも一流企業であり、かつクライアントも国内の大企業が多いです。
つまり外資系コンサルティングファームに就職することができれば、
・安定した(同年代に比べて高めの)給料をもらいつつ
・外資系特有の裁量の大きさと緊張感を持ちつつ
・他の大企業を含めたビジネスの仕組み作りを学ぶことができる
…という、人によっては非常に魅力的な仕事に就くことができるのです。
今後も激務や残業のイメージを払拭することができれば、さらにコンサルはさらに人気の業界となっていくことでしょう。
もし学生の方であれば、ビズリーチ・キャンパスを利用して、自分の大学や学部・研究室などの共通点から、コンサルタントの先輩と話をしてみるとよいでしょう。
遠方の大学であれば、スカイプでのオンライン相談も対応できるなど、気軽に相談できるシステムも整っています。
こちらの記事では、僕なりに新卒の就職の考えをまとめておりますので、ぜひご参照ください。
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また、これから外資系コンサルティングファームへの転職を目指す方は、転職サイトに早めに登録しておくことをおすすめします。
たとえば、会員制転職サービスのビズリーチならば、外資系企業にも多くのコネクションを持っています。
やる気や元気があるうちに、そして少しでも若さを活かせる早い時期に、エージェントに相談してみることをおすすめします。
こちらの記事では、僕自身の転職事例をご紹介しております。
日々の仕事に悩んでいる方、外資系コンサルティングファームへの就職を目指している方は、ぜひ一度ご覧ください。
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